2019年1月28日発売の週刊少年ジャンプ9号、約束のネバーランド【第120話】形のない怪物を読んだので、あらすじ・ネタバレ・感想をまとめました。
【前回のあらすじ】
ノーマンと感動の再会を果たしたエマたち。
ノーマンは食用児の実験場ラムダ7214から、ミネルヴァの支援者の助けによって脱獄していたのでした。その支援者が殺される前に、彼の情報と関係網をノーマンが受け継いだといいます。
そしてノーマンは自分の目的を話す前に、「鬼とは何なのか」を語り始めました。
約束のネバーランド【第120話】形のない怪物のネタバレ
鬼とは何なのか知っているかというノーマンの問いに、「そういう怪物ではないの?」と疑問を投げかける子供たち。
ノーマンは鬼はヒトを食べなければあの姿も形も保てないといいます。
「彼らは形のない怪物なんだよ。」
ノーマンによると、鬼は初めから今のような姿形だったわけではなく、元々は恐らく細菌に似た何かだったのだとか。
細菌は分裂によって数を増やし、ただひたすら増える同一個体(クローン)のコピー。
そんな細菌が進化・変容を遂げた理由は、突然変異と遺伝子の水平伝播によるものでした。
遺伝子の水平伝播とは、他の生物の遺伝子を取り込むことで、鬼の進化もそれに似ていたといいます。
鬼は食べることで進化し、遺伝子を取り込むことでその形質を受け継ぎます。
虫を食べれば虫のような何かに、魚を食べれば魚のような何かになり、それを繰り返しながら様々な形へと進化していきました。
そして鬼はやがて人間を食べ、人間に似た姿と高度な知能、言葉や文化を獲得。
人間は鬼の最大の好物となり、鬼はみるみる人間を超え、人間の天敵となっていったのです。
鬼は人間にも想像がつかない速度で進化し、形を変えていき、人間はその圧倒的な存在を鬼、怪物、悪魔、果ては神などの名で呼称しました。
しかし鬼の速すぎる進化には代償がありました。
それは食べ続けなければ、形質を保っていられないということ。
鬼が人間を食べ続けるのは、そうしなければ形も知能も保っていられないからです。
それゆえ1000年前に約束を締結してもなお、鬼は人間の味や知能、形質を求めて、人間を食べ続けているのでした。
「それが鬼の正体だよ。」
ノーマンが鬼の説明を終えると、エマは絶句。
「食べて・・・進化する・・・?」
「だから色んな姿形の鬼がいるのか・・・。」
「人間を食べて自分の知能や形質を保たせるために、農園を作ったんだ・・・。」
と口々に話し、鬼について理解した子供たち。
「細菌みたいな単純な構造の生物ならともかく、これだけ複雑な生物と化してもなお、柔軟に遺伝子の組み換えが可能なんて。」
と驚くレイに「ありえない・・・まさに脅威だよ。」とノーマンも同意します。
しかしその分良くも悪くもすぐに遺伝子情報が書き換わるため、極めて不安定な生き物なので、農園をつぶせば、いずれ鬼は滅びるとノーマンは話します。
この1000年、粗悪な量産肉を食べ続けたため、下級の鬼たちの形質保持能力は輪をかけて弱まっているのだとか。
早い個体なら半年も人間を食べなければ、知恵を失って野に返るだろうと話すノーマン。
「野に返るって・・・野良鬼みたいになっちゃうってこと?」
ノーマンは子供の質問に頷き、質の悪すぎる量産肉とそれに対する下級鬼の不満は鬼の社会で問題となっているくらいだと続けました。
ノーマンが農園をつぶすのは、鬼を野良鬼にさせるためだと納得したエマ。
するとギルダが食用児に農園をつぶすなんてできるのかと不安を口にします。
そんな疑問に「できるよ。」と即答するノーマン。
「エマ。ザジを見たでしょう?あの子の力を。」
「そう、刀で鬼を斬り倒していた・・・一撃で3体も・・・。」
エマは鬼から食べられそうになっていた自分を救ってくれたザジを思い出します。
ザジはラムダで生まれた、ラムダの実験の副産物だというノーマン。
多種多様な高級肉を、もっと質のいい量産肉を、食欲と実験に伴って鬼が求める人肉をと、鬼の5つの貴族とラートリー家が手を組んで、ありとあらゆる手立てで手段を選ばずに生み出しているのが試験農園のラムダ7214の正体だと説明します。
そこで繰り返される投薬と実験と品種改良、その過程で筋肉や神経、感覚などにおいて異常な発達と変則的成長を見せる個体が次々発生しました。
「それがザジやハヤトたちってことか!」
とレイが気づくとノーマンは頷き、「ジンやハヤトはラムダではなくその系列の農園生まれだけどね。」と補足します。
ハヤトの俊足やアダムの怪力、回復の早さも、全て実験の影響なのかと謎が解けていく子供たち。
「この力は鍛えれば鬼にも勝る戦力になる。皮肉にもすべて鬼がくれたんだ。僕ら(高級食用児)の知恵同様にね。」
そのため彼ら”イレギュラー”を確保する意味でも、まずはラムダと系列農園から襲って解放したというノーマン。
今このアジトにいる子供たちの何割かは未来のザジなのだといいます。
「ラムダの檻でずっと考えていたんだ。エマならきっと家族みんなで笑って暮らせる未来を作る。自分や家族だけじゃない全食用児を救える道を望むってことを。でしょう?エマ。」
ノーマンの言葉を笑顔で返すエマ。
そしてノーマンもエマと同じように、家族も仲間も全食用児が笑って暮らせる未来を作りたいといいます。
だからそのために最善の方法は何かを考えたと。
「策は既にある。武器戦力やその他の手配・・・準備は出来ている。人間の世界へ逃げるよりも何よりも、未来永劫、最も確実に最も安全に全食用児を救える方法。”鬼を滅ぼし、絶滅させる”これが僕の答えだ。」
ノーマンは厳しい顔で主張しました。
「これでネバーランド(大人になれない)世界はもう終わりだ。この世界に、僕たちみんなの楽園を築こう!!」
子供たちはノーマンの言葉に笑顔を浮かべます、
しかし、エマだけは複雑な表情を浮かべていました。
約束のネバーランド【第120話】形のない怪物の感想
今回ついに鬼の正体が暴かれましたね。
なぜ野良鬼と言葉を喋れる鬼がいるのかという謎が解けました。
鬼の社会では人間の文化や宗教まであるというのは不思議でしたが、こういう理由だったんですね。
ノーマンの考え方は間違っていないと思いますが、エマが微妙な表情だったのは気になります。
やはりエマ的には絶滅させずに、平和的に解決したいということなのでしょうか?
果たしてノーマンの計画はどのような展開になるのでしょうか?
次回の約束のネバーランド【第121話】が掲載される週刊少年ジャンプ10号の発売日は2月4日になります。