私の神様

私の神様【第5話 願い】ネタバレ!穏やかに流れていく2人の日常に、影が・・・

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月刊少年ガンガン4月号(3月12日発売)、私の神様 第5話のネタバレ・感想をまとめました。

前回のあらすじ

大学1年の山城かずさは、小説家の少年と同居生活を送っています。

少年は元々は神様で、人間の娘に恋をしてしまい、やがて死んでしまった娘を生き返らせた罰として不老不死の呪いがかけられているのでした。

そして、その人間の娘の生まれ変わりであるのが、かずさ。

神様の力で一度生き返った彼女ですが、神様のために自らも呪いを望み、何度も姿を変えながら神様の傍に在り続けていました。

しかし、かずさがずっと傍にいたことは神様は知りません。

なぜなら、かずさにかけられた呪いは「誰かに知られたら解けてしまう」というものなのです。

時に植物、時に動物。

かずさは何百年もの間、生まれ変わりを繰り返した末にようやく人間の姿で神様に再会できました。

永遠に独りで生き続ける神様と、そんな神様を想っているかずさの行方は…。

 

私の神様【第5話 願い】ネタバレ!

 

朝食を食べている、かずさと神様。

「かずさ。

おぬし、小説家にならんか?」

[朝夕がようやく涼しくなってきた今日この頃]

「はぁ!?」

[先生が妙なことを言い出した]

 

「さっちゃん、ゴーストライターってどう思う?」

かずさはカフェにて友人であるさっちゃんとお茶をしていました。

「は…? いきなり?」

「ほら、高校のころ文芸部だったでしょ?」

「まあ…」

何を言ってくるんだろう、といった面持ちのさっちゃんはカップを口元に運びます。

「ゴーストライターって、本当は作者が別の人ってやつだよね?」

「それそれ。

教えてくださいよさっちゃん先生」

「うーん…私的には悪いというより、「理解できない」って感じかな」

「理解できない?」

「うん」

「だって自分が苦心して生み出したものを、他人のものとして発表するんでしょ?」

「…うん」

「作品制作以外には興味ない~、って人もいるかもだけど、自分のこだわりとかそういうとこ他人だとどうしてもわかんないよ」

カップを置いて、真顔で話すさっちゃんの言葉に、かずさは唖然としてしまいます。

「自分にとって大切なものをその価値の共有できない他人に預けるのって、単純に怖くない?」

的を射たさっちゃんのセリフ。

かずさは思わず目線を下に向けます。

「おお…さっちゃん先生かっこいいです…」

「でしょー? あ、明日博物館の授業一緒いこ」

「うん」

[この質問のきっかけは、今朝に遡る]

 

場面は冒頭のシーンに戻ります。

「おぬし小説家にならんか?」

「はぁ!?」

「あ、小説を書けと言うとるんじゃないからの。

わしが書いた小説を、おぬしが書いたものとして世に出してもらいたいんじゃ」

食べ物を咀嚼しながら、平然と言ってのける神様。

かずさは「それってつまり、」と呟いて叫びました。

「先生が私のゴーストライターになるってことですか!?」

「まあ…そうじゃの」

[いわく]

神様はみそ汁をすすりつつ、声色を変えずに話し続けます。

「わしはこんな見てくれじゃから、大抵のとこは相手にしてくれんのよ」

[とのこと。

今まではなじみの編集者が特例として扱ってくれていたが、昨年退職したため私に代役をお願いしたいのだという。

つまりはまた新人からやり直しだ]

(とはいえ、こんなにアッサリしてていいもんなの?)

朝食を終え、食器の片付けを済ませながら考えるかずさ。

「せんせー」

神様の部屋へ行くと、神様が原稿用紙とにらめっこしていました。

(あ…、集中してるとこだ)

真剣な神様の顔を見て、そっと障子を閉めて台所へと戻ります。

[執筆した小説に対する先生のスタンスは謎で時代ものから現代に近いもの、時には詩まで。

ジャンルはさまざまで、読んで感想を伝えても生返事をするだけ…摩訶不思議だ]

お茶の用意をし、改めて神様の元に行きます。

「どーぞ」

「ん」

また台所に戻り、自分のお茶を飲みながら考え込むかずさ。

(あの調子だと、今日は手のこんだもの作っても仕方ないな。

みそ汁とおひたし…つけものくらいでいいや)

そこで、さっちゃんのセリフを思い出します。

『自分のこだわりとかそういうとこ、他人じゃどうしてもわかんないよ』

つまり先生である神様は、かずさを“他人”とは思っていないのでしょうか。

(信用してくれているということか…?)

[実は私は先生がなんで小説を書いているのか、ちゃんと聞いたことがない。

不可侵の領域のような気がして、ずっとふみこめずにいたのだ]

(なのに、すっとふれてくるんだから…)

 

夜になり、風鈴の音が布団に入ったかずさの耳に届きます。

襖の隙間から見える、神様の小さな背中。

目を閉じては開きを繰り返し、やがてかずさは布団を出るのでした。

「先生…眠れないので、そばにいてもいいですか?」

「めずらしいのう」

「…何がですか?」

「おぬしが眠れんことじゃ。

いつもならこの時間はぐーすかじゃろ」

「……なんですか人のことをバカみたいに…」

「すまんすまん」

「私にだってこういうこともありますよ」

言いながら、神様が書いた小説の原稿用紙を見つめます。

[厚さ1mmもない紙に、文字がつらなり意味を成し、物語と感情が生まれる。

多大なる労力の先に、世界が生まれる]

「……先生は、なんでこんな必死になって小説を書くんですか?」

筆を進め続けながら、かずさの問いに対して神様は考えます。

しばらく考えてみるも、なかなか答えは出ません。

「…………なんでじゃろうな?」

「えっそんなフワッとした!? もっと何かないんですか!?」

「いや、大多数はこんなもんじゃろ。

きっかけとか理由はあれど」

「お、思ったより大分フワッとしている…」

そんなもんなのか、とぼやいて、改めて持っている原稿用紙を見たかずさは、大きく息を吐いてそのまま神様の背中にもたれます。

「うわっ!」

「…なんだか拍子抜けしました」

「もしかして今朝のことで悩んどったんか」

「…はい。

だって私何か作ったりしないし、先生が何したいかよくわからなくて。

だって何の苦労もしてないやつに手柄横取りされるようなもんじゃないですか」

かずさは神様の背中にもたれていましたが、その上体はどんどん滑っていきます。

「かずさ、重い。

…そうかのう? まあ人によるじゃろうけど」

やがて寝転がる体勢になるかずさは、問いかけ続けます。

「じゃあ何がしたいんですか?」

「んー? そうじゃの…できとるかは分からんけど、わしが感じたことを同じように知ってもらいたいんじゃろうなあ」

言いながら、かずさの頭をそっと撫でる神様。

「…ふうん?」

「わかってないじゃろ…」

神様は半ば呆れつつも、ざぶとんを取ります。

「ほれ、枕じゃ」

「あ、ありがとうございます」

「おぬしが嫌なら悩まんでいい。別の方法を考えるし、わしは多くの人に読んでもらいたいだけじゃ」

神様の言葉の意味を、天井を眺めながらかずさは考えます。

「かずさ。

寝るんじゃったら布団に戻るんじゃぞ」

神様の注意の言葉はかずさに届いていないようで、彼女は静かに目を閉じます。

[目を閉じると、瞼の裏にいつか見た夕焼け空が見えた。

そういえばあの時先生は、自転車を止めてその夕日に見とれていた。

あぁこの人に、小説があってよかったなあ。

できることなら、同じものを同じように見て、同じようにすてきだと言いたいなあ]

頭の中で神様の小さく、消え入りそうな後ろ姿を浮かべるかずさ。

[過ぎた願いだ。

深い深い、ずっと奥。

私には届かない。

それでもあなたが、どうか、どうか――]

そのうち、かずさは眠ってしまいました。

目元に涙をにじませながら。

そしてそれを、神様は優しく拭っていたのです。

 

朝になり、小鳥が元気よく鳴いていました。

かずさは目を覚まし、体を起こします。

(あ…そうか。

私、昨日そのまま寝ちゃったんだ)

横では、小さく寝息を立てている神様が。

彼の寝顔を見て、かずさは笑います。

「お布団しいたの、勿体なかったな」

[私には、詳しいことはわからない。

だけどもうそれでいいや]

穏やかな表情で眠っている神様を起こさないように、抑えめの声でかずさは呟きます。

「いいですよ。

先生のためなら小説家になってあげます」

[だって、寝起きに見るあなたが、

こんなにも愛おしい]

 

昼下がりになり、かずさはさっちゃんと共に課外授業に来ていました。

「はい、じゃあ今日はこれで解散です」

「かったるかった…ラクな単位って聞いてたのに一日拘束されるとは…」

思い切り伸びをするさっちゃんに、かずさも疲れたように笑います。

「でもこれで単位出るならねー」

「今日帰ったら海外ドラマ一気見するんだ~」

「ほー、そりゃすばらしいこと!」

そこで、かずさは茂みの傍の一匹のぶち猫を見つけます。

猫は、何やらかずさを見ている、といった感じ。

「かずさ? 急に止まってどうしたの?」

「あ、私忘れものしたからとってくる! 帰ってて!」

「えっ、かずさ!?」

瞬間、走り出すかずさ。

[なぜか、ついてこいと言っているような、気がする]

謎の雰囲気を醸し出している猫についていき、かずさがたどり着いた場所は、美術館でした。

とりあえず入館して、作品が飾られたギャラリーを進んでいきます。

(どこらへんが芸術なのかまっったくわからん…)

さらに進んでいった所で、一枚の絵がかずさの目に入ります。

タイトルには、“輪廻転生”という表記。

「“輪廻転生”。

“主にインド哲学や東洋思想においてみられる概念のこと”。

“同じ魂が様々な生類として無限に繰り返し生まれ変わる様を、

車輪の軌跡にたとえている”」

突如背後から発せられた言葉に、驚きながら振り返るかずさ。

「おまえにピッタリな絵だ」

そこには、女性が立っていました。

「久しぶりだな、おろかな娘」

私の神様【第5話】 感想

ゆっくりと流れていく2人の生活に、何やら不穏な影が落ちました。

美術館に現れた女性は一体何者なのでしょう?

かずさに久しぶりだな、と言っているということは知り合いのようですが……。

「おろかな娘」というワードもポイントですね。

恐らく、かずさの呪いに関係のある人物なのでしょう。

ということは、神様の呪いについても知っている……?

何やら次回は波乱の展開になりそうです!