月刊少年ガンガン4月号(3月12日発売)、とある魔術の禁書目録第137話のネタバレ・感想をまとめました。
前回までのあらすじ
学園都市内にて、暗部組織の1つである『スクール』がとうとう動き出しました。
その目的は、『ピンセット』と呼ばれる原子よりも細やかな素粒子を掴むための機械を奪うこと。
が、そこで仲間から「襲撃を受けている」と連絡が入ります。
その襲撃者とは麦野沈利率いる、別の暗部組織である『アイテム』です。
『スクール』と『アイテム』。
共に学園都市の超能力者(レベル5)が所属している、暗部組織同士の抗争の火蓋が、ついに切って落とされます。
とある魔術の禁書目録 第137話「第二十三学区ターミナル駅」 ネタバレ
車での移動をしている途中で、突如クレーン車の先の大鉄球をぶつけられた麦野達。
ドア部分が使い物にならない状態になり、咄嗟の判断で浜面は窓ガラスを割ります。
「前から出るんだ、早く!」
急いで車から脱出した直後、大きな爆発が。
「二手に分かれよう」
「へ?」
麦野のセリフに驚く浜面。
「戦わないのかよ、超能力者(レベル5)」
「私の目的はステーションワゴンの積み荷の『ピンセット』。
時間稼ぎに付き合うつもりはないからね」
言いながら、麦野はクレーン車から下りてくるドレスの少女を見ます。
「…あのクレーン女のチカラは鬱陶しいし」
次の瞬間、麦野と滝壺は散り散りに。
取り残された浜面は、慌てて二人とはまた別の方向に走り出します。
「じ、じゃあこっちで!!」
ドレスの少女は誰を追うのか。
「俺かよ!!」
それは浜面でした。
「あの麦野が「うっとうしい」って言うくらいだ、どんな極悪な能力を持ってるかわかんねーぞ!」
追ってくるドレスの少女を観察していると、少女は拳銃で的確に足元を狙ってきます。
弾を避けながら、マンションのような建物に逃げ込む浜面。
防火シャッターを下ろし、一息吐きます。
「はぁ~~~~っ………」
監視カメラのモニターで少女のことを確認。
「そのオモチャみたいな銃じゃシャッターは破れないみたいだな」
立ち往生している少女を見て、調子に乗ってモニター越しに少女を煽ってしまいます。
「おーい聞こえてるかー? 残念だったな、いっひっひっひっひ」
すると、少女はドレスの裾をあげて太ももの武装から別の銃を取り出しました。
「…グ、グレネードランチャ~?」
無表情で容赦なくシャッターにランチャーを打ち込む少女。
案の定、勢い良くシャッターは吹き飛び、爆風に浜面は巻き込まれます。
「ぎゃああぁ!」
爆風の力を借りつつ、さらに上へと逃げるも、そこは屋上。
「行き止まり……」
(どうする?
飛び下りるか、武装した『スクール』のメンバー相手に丸腰でやり合うか――)
背後には拳銃とグレネードランチャーを構えた少女が迫っていました。
(迷うまでもねェ…!!)
次の瞬間、浜面は屋上から飛び降ります。
「負け犬上等おおぉおおおぉぉお、っ!」
が、その下にはベビーカーを押している女性の姿が。
「うおぉ!?」
反射的に体勢を変え、どうにか木に自身の体を引っ掛けて尚且つ女性のことも避けて着地に成功します。
「どちらさまでしょう?」
もちろん暗部組織の抗争など微塵も知らない女性は、突然落ちてきた浜面に尋ねます。
「空から落ちてくる系のヒロインです!」
着地で足が痛いのに必死に繕う浜面は、ここは危ないと女性に逃げるように促します。
対して、屋上から浜面を探すドレスの少女。
「標的を見失ったわ」
誰かに電話をかけながら、下を見ます。
「近くにいるのは幼な妻とベビーカーだけ…ターゲットの男が幼な妻又はベビーカーに偽装している可能性はあると思う?」
『バーカ死ね』
電話を切られ、少女は考えます。
(雑魚だと思って油断してた。
最初っから能力を使っていれば良かったな…)
そこで、少女は見つけました。
浜面とは別の標的を。
「ふっ、ふり切った…か?」
一方、公園に辿り着いた浜面。
飲み物を買ってベンチで休憩します。
「今日は何とか生き延びた…『アイテム』のやつらは大丈夫だろうか……。
だー、ちくしょう!もう全部丸投げしてどこか旅に出たい!!」
1人で悶々としている中、携帯の着信音が鳴ります。
「よー、とりあえず生きてるみたいだな」
出てみると、相手は浜面達のリーダーでした。
「麦野か。
俺が“当たり”引いたんだからそっちは無事だよな? 積み荷は回収したのかよ」
浜面の問いかけに、麦野は何も言いません。
(ありゃ、黙っちまった。
逃げられたのか)
と呑気に麦野の言葉を待ちます。
しかし、それも束の間。
「浜面。
悪いんだけどすぐ戻ってくれないかな? 下っ端の雑用係に仕事ができたの」
(仕事?)
「死人が出たの。
こいつの処分を頼みたいんだけど」
その言葉に、浜面は動揺します。
所変わって、とある小さな倉庫のような場所を物色する垣根帝督。
「スナイパーを補充したり、親船を撃ったり色々と下準備が面倒だったが……まあそれなりの価値はありそうで一安心だ」
言いながら、垣根は段ボール箱を無造作に壊しました。
そしてその段ボールの下に隠されたものを確認して、不敵に笑います。
「何をしているんですか?」
傍にいた男が問いかけます。
「組み直すんだよ」
段ボールの下にあったのは、謎の機械。
「盗難防止のためにワザとガワをデカくしてあるのさ。
必要最低限のパーツだけ集めりゃもっと小さくできる……よし、良い感じだ」
その機械を手に装着し、具合を確かめます。
「『ピンセット』。
アレイスターへの突破口…!」
その瞬間、爆発音が響きました。
垣根と共にいた男が、音の方を見ます。
すると、
「ッッぎゃああッ!」
見張り役の男が、苦しそうにもがいていました。
男の皮膚がどんどん溶けていき、やがては服と骨だけが残ります。
「垣根帝督か。
超能力者(レベル5)をここで失うのは惜しいことだ」
現れたのは、白衣姿の小柄な老人。
後ろにはチーターのような形をしたロボットも。
垣根は手元の『ピンセット』を見ながら状況を考えます。
(まさかこの場で使うとはな)
「……『グループ』か? それとも」
垣根に問われた老人は、眼鏡を抑えながら笑うのでした。
また所変わって、とある学区内の道路。
「ここまでだ」
タクシーではない、一般の乗用車に無理やり乗り込んでやって来た一方通行(アクセラレータ)は、適当に金を運転手に投げながら降ります。
「衛星の地上アンテナは立ち入り禁止区域の数キロ先――って所か」
コンテナが密集している地帯に入った所で、彼の携帯が鳴ります。
「一方通行さん、で合ってますよね。
海原です」
海原は任務のために変装して、声色も変わっていました。
「今は変装中なので“この声で”話しているだけで危険なんです。
ですから手短に行きたいと思います」
「なンだ。
『スクール』の連中の目を盗んでコソコソ内緒話か?」
「『スクール』じゃないんです。
今自分がいるのは『ブロック』です」
「じゃあ一連のクラッキングは『ブロック』仕掛けてるっつーのかよ。
親船最中の狙撃はどォなってンだ」
「自分に当たらないでください…というか狙撃?」
「その『ブロック』は何をしよォとしている? 「ひこぼしⅡ号」の光学兵器でものっとって取り引きか」
「いいえ 目的は直接的な攻撃のようです」
そのワードに、舌打ちをする一方通行。
「…ターゲットは?」
「第一十三学区です」
(第十三学区だァ? 今土御門達が向かっているはずだが)
「あンな所狙ってどォすンだよ。
外部接続ターミナル以外ロクな施設はねェぞ。
あンのはガキの学校ばかりだろォが」
「ですからそれが狙いなんです。
第十三学区は学園都市で最も幼稚園や小学校が集中している学区です。
攻撃を受ければ幼い子供達が何百何千人と犠牲になる――そんな危険な場所へ子供を預けたいと思う親がいると思いますか?
学生の数は減りいずれ都市として機能しなくなる。学園都市はじわじわとですが確実に死を迎えるでしょう」
(…美学が足りねェ悪党どもだぜ)
「オマエの方から止められねェのか」
「それができれば相談していません。
避難誘導も衛星の管制の凍結も時間があればできるでしょうけれど」
つまり海原が言いたいのは、時間がないということでした。
「結局俺が地上アンテナをぶっ壊す方が早いってか」
「お願いします。こちらは引き続き情報を収集して可能な限りお伝えしますので」
電話を切り、一方通行は自身の首元の電極チョーカーを確認します。
「残り時間はおよそ一〇分弱…大物アーティスト並のスケジュールだな」
電極のスイッチを押そうとした瞬間。
「おやおやこれはいけませんね」
背後から突然謎の少年にそれを阻止されます。
銃を取り出し、攻撃をしかけようとするも、少年は消えていました。
「…!?」
銃を構え直し、相手を探そうとする一方通行ですが、また背後を取られます。
「それがあなたの弱点ですね。
どんなに強い能力でもスイッチさえ押してしまえば発動できないんですよね」
少年は、鉄パイプを振り下ろしました。
後頭部を殴られ、一方通行は倒れ込みます。
「オマエ『ブロック』か!?」
少年は、笑って言います。
≪私は『メンバー』≫
垣根達の元に襲来した老人も、言い放ちました。
「統括理事長の妨げになる反乱分子は取り除かせてもらおうか」
とある魔術の禁書目録 第137話 感想
新しい暗部組織の『メンバー』が登場して、一方通行や垣根は果たしてどうなってしまうのかが気になるところです。
浜面も麦野から「死体処理」を頼まれてしまいましたし、どうするんでしょうか?
まぁ断ったら制裁を受けさせられちゃうでしょうから断れないでしょうね……。
旅に出たい、とか言ってましたけど無理でしょう。
元々はただのチンピラ程度の一般人だったのにまさか死体処理の仕事をやらなくちゃいけなくなるなんて、私なら耐えられません。
そして何より、『ピンセット』が統括理事長であるアレイスターへの突破口、という垣根のセリフはどういう意味なんでしょうか?
垣根はアレイスターに何をしたいんでしょう?
暗部組織のストーリーもより盛り上がってきましたね。
次回も激しいバトルアクションに期待です!